2・旅の準備編

世界一周の旅の準備

旅のルート作り

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まず、自分が絶対行きたい場所、見てみたい所、やってみたい事を考えてルートを繋いでみた。エスニックなイメージの「アジア」・大自然と野生動物の大陸「アフリカ」・アラビアンナイトの世界の「中東」・ベルサイユのバラのイメージなヨーロッパなど、こどもの頃からの感覚で世界を見てみたいと思った。そして旅の感動を一緒に共感できる仲間と世界遺産や世界の絶景を見て周りたいと思った。世界一の激流をラフティングで下ったり各地のアウトドアを経験したり、自分の興味の世界にも更に深く足を踏み入れたいと思った。
大陸から大陸への移動は船か飛行機になるが、陸続きの国は、飛行機を使わずにできるかぎり電車かバスで移動したい。
旅のスタイルは、旅行会社のパック旅行ではなしに自分達でお金をかけずに移動手段や宿の手配をし、身軽に動けるリュックサックに荷物を詰め込んだだけのバックパッカースタイルにしたい。その方が現地で暮らしている人達の普通の生活に触れることができると思ったからだ。イエローナイフのオーロラを見て旅の終わりをみんなで感動できたら、と考えるだけでワクワクしてきた。 
   

世界一周仲間を集める

P1000843ホームページを使って旅のルート予定を公開し仲間を募集した。自分の中ではどんどん夢が膨らんで行くのだが、実際、オラの計画に何人の人達が賛同してくれるのだろうか? 地元の友達に世界一周の事を話してみたが、「本当に人が集まるの?」とあきれた反応しか返ってこなかった。

インターネットの海外旅行に詳しい人達の集まるサイトで、仲間での旅についていろいろ質問してみた。
例えば10人くらいでの宿の宿泊や移動手段など上手く予約を取れるのかなど聞いてみた。バックパッカー経験の全く無いオラには、全く予想できない事が多かったからだ。親切にアドバイスしてくれる人もいたが、ほとんどの人に仲間での旅は喧嘩ばかりで上手くは行かないとバカにされるだけであった。
しかし、夢を諦めきれないオラは、一緒に旅をしてくれる仲間探しを続けたがしばらくは無反応な日々が続いた。

とりあえず、世界一周に興味がある人間を集め、2006年1月から毎月1回「世界一周飲み会」と題して、地元大阪でミーティングを行なった。
「一人旅や二人旅でも無い、グループでの世界一周バックパッカーの旅は、なかなか例に無いと思うねん。無事達成して、更にその経験談が本になって全国の本屋さんに並んだら凄くない!?」オラはその壮大な計画をみんなに伝えた。その時参加したメンバーは、「そんな計画が実現できたら楽しいだろうね」ってオラの気持ちとは裏腹に、お酒のあてに夢だけを聞きに来ているような感覚であった。
そんな第1回目の世界一周飲み会は、まだまだ現実味のない飲み会であった。

実際に旅に参加するとなるとお金のことや仕事の調整といった難問を解決しないといけなかったし、意欲があっても親に反対され参加できない仲間もいた。しかし、第1回目の飲み会の後、サークル仲間のすし屋の看板娘アコちゃんは、親に反対されながらもすでにバックパックを買ってしまうという本気ぶりを見せてくれた。

ある日、サークルをスタッフとして手伝ってくれていた慎重派女のマッキー (看護師の仕事を辞め、大学に編入しようとしていた) が、大学の試験が合格したら参加するよと言ってくれた。

天然キャラのめぐみちゃんは、普段はマッサージの仕事をしていが、たまに長期休暇を取り、一月くらい海外旅行に行ったりしていた。
芸術的な不思議な感性を持った女性であるが、そのめぐみちゃんがサークルのホームページを見ていて偶然オラの世界一周計画を発見したという。女一人で世界旅行を覚悟していた彼女には棚から牡丹餅であったようだ。

広島の熱い男オッキーは、7年前に知り合ったサークル仲間である。熱い事が大好きな彼も是非誘いたいと思っていた。サークルイベントの企画で、信州でスノーボードを滑っている最中、偶然オッキーから2年ぶりにオラの携帯に電話がかかってきた。世界一周計画の話をしてみると、どうやらオッキーは、最近仕事を辞めたらしく、次の仕事を決めるまでの期間は海外でも行こうかと偶然計画していたようだ。お互い是非、話をしたいと言うことになり、広島から大阪にやって来る日がその場で決まった。その他、全くオラとは面識の無い人達もネットでオラの計画を見て、集まって来るようになってきた。

福岡出身の博士タイプのぷる君や、同じく、福岡出身九州男児のようちゃんなどオラの世界一周飲み会に参加するようになり、どんどん具体的なミーティングが開かれていった。ちなみに彼らは元々知り合いでは無い。偶然二人とも福岡だったのだ。

世界一周ミーティングを行う

・団体での旅のルール【必要最低限の保険・ビザ・予防接種は受けておくこと】
・どこで合流、解散し、連絡はどのようにとるのか
・実際に自分が参加するルートではどんな持ち物が必要か
・お金の効率的な持って行き方
・どんな予防接種・ビザが必要になってくるのかも話し合った
飲み会を重ねるごとに、話し合いはより具体的なものになってきた。旅の最中では半年間という限られた期間で合流、解散を参加者全員が無事に行なうのがテーマとなった。

VISA取得ツアー決行

基本的にビザは現地で取る事に決めていた。旅中にビザの有効期限が切れたり、やむを得ずルートを変更したりする可能性も考えたからだ。
しかし、インドのビザだけは、出発前に取る事に決めた。理由は、6ヶ月有効のインドのビザは、旅前半に入る予定だったので、日程に余裕がある。
インドでビザを取ってきた旅行者の話しでは、現地では人が凄く並ぶし、手間もかかると聞いていたからである。
そして僕らは、地元大阪のインド大使館にビザの申告に行くビザツアーを決行した。この日のメンバーは、イザポン(オラ)・慎重派女のマッキー・天然キャラのめぐみちゃん・すし屋の看板娘アコちゃん・英語が得意なあけちゃん、この5名である。
他のメンバー達は、それぞれ地元に近いインド大使館にビザの取得を決めていた。

海外へどのようにお金の持って行くのか

第7回目の世界一周飲み会では、20人位のメンバーが集まった。僕らの旅に参加するかしないかは別として、みんなにアンケートを書いてもらった。アンケートの内容のひとつに「お金はどうやって持っていきますか?」という項目を作った。
(現金・銀行のキャッシュカード・クレジットカード・トラベラーズチェック) など、ほとんどの人は現金とカードなど数種類を組み合わせて持って行くようだ。
しかし一人だけ意味不明な回答が書かれていた。「お金はどうやって持っていきますか?」 
……(カバン)
そやな、お金は普通、鞄に入れて持って行きますよねぇ。ておーい! そんな事、アンケートの質問に書くか!!
そして、そのアンケートを書いたのは、中国の北京で合流予定のこだまちんであった……。

お金の持って行き方
海外でのお金の所持の仕方としては、現金・トラベラーズチェック・クレジットカード・国際キャッシュカードなどがあるが、今回は新生銀行とシティバンクに行って海外でのキャッシュカードの使いやすさについて色々調べてみた。どちらも海外のATMで引き出しが可能。
新生銀行……口座の開設が無料でできる。あとATMの引き出し手数料が無料。
シティバンク(バンキングカード)……口座開設無料、ただし月間平均総預かり残高が50万円以下の場合、口座維持手数料として、月間2,100円かかる。
シティバンク(ワールドキャッシュ)……発行手数料1,050円、海外での引き出し200円、残高照会100円かかる。
一見、新生銀行が得なので良さそうに思えたが、紛失や盗難にあった後、海外で再発行できない。
使用不能になったら日本に帰国しないとお金の引き出しが出来なくなるのである。
その点、シティバンクの方はすぐに再発行できる。
あとは現地によるクレジットカードのキャッシング、これは意外にも現金を手に入れるコストとしては悪くない。
それぞれ使い分けするのが、いいと思った。

世界一周中に予防接種は必要か?

予防接種は、ヨーロッパ・北アメリカだけ参加するメンバーにはそう必要ないだろうが、東南アジアやアフリカなど病気にかかりやすい地域に訪問する場合は受けておいたほうが安心なので必要最低限な予防接種は全員受けるように勧めた。
 予防接種は2回以上受けなければ効果がないものもあり、接種間隔も3~4週間必要なものが多いため、出発ギリギリでは間に合わないので早めに受け始める方がいい。アフリカを訪問する人は黄熱病の予防接種が必須だ。黄熱ワクチンの接種済み証明書を入国時に要求する国や帰国時の乗り換えの時に要求する国もある。
 ちなみにオラはA型肝炎・破傷風・狂犬病・日本脳炎・黄熱病を受けに行った。必要な予防接種を出発の2ヶ月前から3回に分けて受けに行き、最後に黄熱病の予防接種を出発10日前に受けに行った。しめて4万4350円かかった。

予防接種の必要性と主な種類
予防接種は、自分自身を感染症から守り、周囲の人への二次感染を防止する為に必要である。その他に、ワクチン接種済み証明書を要求される特定の国(主にアフリカや南アメリカの熱帯地域の国)では、黄熱ワクチンの接種済み証明書を提示しないとその国に入国できない。また、黄熱の汚染国からインドや東南アジアの国へ入国するときにも、黄熱ワクチンの接種済み証明書を要求されるので、帰国時の乗り換えの時にこれが必要になる場合がある。
ワクチン接種は余裕をもって早めに計画する!一種類のワクチンでも数回(2~3回)接種する必要のあるものがある。(最低出発3か月以上前から受けていかないと間に合わない場合がある。)

【破傷風】
破傷風菌は世界中の土壌の至る所に存在する。

【A型肝炎】
A型肝炎は食べ物から感染する病気で、アジア、アフリカ、中南米に広く存在する。発症すると倦怠感が強くなり、重症になると1か月以上の入院が必要となる場合がある。

【狂犬病】
狂犬病は、発病すればほぼ100%死亡する怖い病気。
海外では、イヌ以外の動物に咬まれることによって感染する危険性も高い。

【日本脳炎】
日本脳炎は、日本脳炎ウイルスを保有する蚊の刺咬によって起こる重篤な急性脳炎。死亡率が高く、後遺症を残す例も多くみられている。
【B型肝炎】
以前は輸血や医療従事者の注射針による針刺し事故など血液を介した感染が問題とされていたが、現在ではB型肝炎(活動期)の母親から生まれる新生児期を中心とした持続感染(慢性化)と、思春期以降の性行為(唾液や体液の濃厚接触)を通じた一過性感染の2つが主な原因となっている。
【ポリオ】
南アジア、中近東、アフリカへ行く人は追加接種を。
ポリオはポリオウイルスによって起こされる急性の麻痺を主徴とする疾患。

【黄 熱】
黄熱は蚊によって媒介されるウイルス性の感染症で、致死率は5~10%だが、流行時や免疫をもたない旅行者などでは、60%以上に達するという報告もある。

世界一周の持ち物

持ち物は、みんなそれぞれ自分に必要だと思う物だけ用意してもらった。オラの場合は、電子機器やガイドブックが重いので全部で25キロの荷物になったが、通常15キロ程が理想。着替えは3日分を用意し、寒い地域での冬服は現地での購入を考えた。

いざぽんの持っていくものリスト
現金 円・ドル 10万円分
トラベラーズチェック ドル 30万円
ユーロ 10万円
新生銀行キャッシュカード 50万円の預金額
クレジットカード Visa ショピング&キャッシング用
Master
JCB
パスポート・YH会員証・
イエローカード・ AIU海外保険 半年間 59640円

電子機器類 vaioノートパソコンPCG-4E1N 海外対応モデムカード
(VIAGGIO ME5614CG3) パソコンが海外対応モデムで無い為購入しました。
240V対応電源ケーブル ケーブルが100Vしか対応してないので、専用ケーブルを購入
ラインチェッカー付きモバイバルコード 宿の部屋に電話回線がある場合に、自分のノートパソコンから直接ネット接続することもある。その際、電話回線をモデムと接続しても大丈夫かどうかを調べる。
ハードディスクムービー
(victor GZ-MG505) 別売りバッテリーvu-v856kit 最大撮影時間7時間10分 旅の美味しいシーンを全て撮影可能♪
ミニミニ三脚 神戸の東急ハンズでかなり小さな三脚を発見!
i-pod  (30GB) 旅に音楽は必需品、 あと写真や動画も取り込みする。 
世界対応アダプタープラグ(シスプラ) コンセントの形状に合わせて組み替え可能。
電子手帳 
(キャノン PA-F500) 10ヶ国旅行会話・英和/和英辞書・世界時計・通貨換算 これだけの機能が付いて\2980-はお買い得。
vodafone 3G  携帯電話 海外での合流やみんなとはぐれた時の連絡用。
通貨換算ミニ電卓 値引き交渉はこれを見せながら行う予定。
ミニライト 暗闇で本を見る時や物を探す場合に使う。
髭剃り機
ザック
50-60L
(mt.trekker) Pacsafe  85L Pacsafeは、バックパックを包み込む金網のような物。
南京錠はロッカーや部屋を二重鍵にする為。
南京錠 2個
ショルダー・
ウエストホルダー付き
サブバック 貴重品とビデオカメラが最低入るくらいの大きさ。
腹巻きポーチ 腹巻き式のウエストポーチ パスポートやカードなど一番大事な物は肌身離さず持っておく!
寝袋 モンベルダウンハガー #4 寝袋は安物を買って寒くて痛い目にあった事があるので、高くても軽くて保温性が高いのを購入。
雨具 ザックカバー45-60L
onyone レインコート
折りたたみ傘
移動手段 世界地図 ガイドブックの本は全部で12冊、みんなで手分けして持ち、要らなくなったら他の旅行者にバトンしていく
コンパス
海外ガイドブック
工具 サバイバルナイフ 
(スクウォートP4) プライヤー・ナイフ・ワイヤーカッター・マイナス&プラスドライバー・ヤスリ・栓抜き・定規の機能付き。
洗面用具 シャンプー・リンス・石鹸・
歯磨きセット ミニ洗濯バサミ付きロープ(ハンディーライン) ・ゴシゴシタオル・網巾着(乾いてない洗濯物を入れる)
服 下着・Tシャツ・靴下・タオル  各3枚
水着・長ズボン・短パン・
ジャージ・フリース・
長袖シャツ 各1枚
その他 虫除けリング・スポーツサンダル・筆記用具・手帳・
トイレットペーパー1巻 

出発前日の決意

日本最後の夜、神戸で壮行会が行われた。サークルのメンバー約15名が見送りに来てくれた。応援してくれる人達がこんなにいるんだなぁとオラは嬉しく思った。
実際どんな試練が待ち受けているのか、希望と不安がぶつかり合い、出発前日の夜にはドキドキしてなかなか眠れなかった。あけちゃん、アコちゃん、オッキー、マッキー、ダイタ、ようちゃんそしてオラの7名が旅のスタートメンバーだ。
リーダーとしてのオラの決意、それはメンバー全員無事に日本に帰って来ること。世界は広い、どんな事が起こるか分からない。荷物を全部盗られても一文無しになっても絶対死なずに帰って来よう。これがオラの最低限の思いであった。このメンバーで仲間同士協力し助け合い、世界一周の旅を達成していくという計画に僕らは挑もうとしていたのであった。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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ABOUTこの記事をかいた人

2016年11月~2017年4月までの約半年間、仲間を募って中南米一周してきました。 夏のシーズンは、アウトドアクラブNuts(ラフティングカンパニー)の代表を務めています。オフシーズンはアウトドア系社会人サークルのイベント(ボードツアーなど)行っています。また、ラフティングトレーニングやアウトドアの遊びの研究をするため、海外に出かけたりしています。 旅やアウトドアに興味がある方はぜひお友達になりましょう♪