35・みんなで世界一周計画 インド編再び マザーハウスのボランティア活動の巻

インド コルカタ
もともとの『カルカッタ』という呼び名は、イギリス植民地時代の英語名であった。
2001年には、正式に『コルカタ』と呼ばれるようになった。

コルカタは西洋式の建築や記念碑が数多く立ち並ぶ街。
その綺麗な街並みに反して交通整備が行き届いてなく渋滞が酷いのもこの街の特徴である。

街一番の繁華街チョウロンギ通りから一筋道を入ると、約2000軒の色んなお店が連なるニューマーケットがある。
そこから南に折れると安宿が多く密集するバックパッカーに人気のサダルストリートがある。

ニューマーケットの果物屋さんからは、いつも甘酸っぱいいい匂いが漂ってくる

ニューマーケットの果物屋さんからは、いつも甘酸っぱいいい匂いが漂ってくる

ニューマーケット内のお肉屋さんでは、豪快な羊の解体作業が見られる

ニューマーケット内のお肉屋さんでは、豪快な羊の解体作業が見られる

マザーハウスのボランティア活動の巻

コルカタの主要駅(ハウラー駅)には正午に到着した。
そこからタクシーでハウラー橋という大きな橋を渡り、多くの安宿が密集するサダスストリートを目指した。

コルカタの街は、首都デリーに比べるとはるかに都会だった。
幅の広いアスファルトの道路は、路面電車、自動車、オートリクシャー、裸足の親父が引いている人力車もごちゃ混ぜで大渋滞となっていた。

僕らを乗せたタクシーは、そのごちゃ混ぜ状態の道から外れ、狭い路地に入った。
この先を曲がった道がサダスストリートだという。

僕らは街に入る手前から歩いて宿に向かうことにした。
道が入り組んでいて分りにくかったため、路上販売の果物屋の兄ちゃんに宿の場所を聞き、ようやく僕らが泊まるゲストハウスにたどり着いた。
『パラゴン』一人1泊95ルピー(約266円)。

ここは、あの懐かしい菊ちゃんとの合流を決めていた宿である。
オラは早速、宿のカウンターで宿泊手続きを取ろうとしていた。
しかし人数分の部屋の確保は、今は難しいと宿の主人に言われた。

うーん、最悪別の宿に別れて泊まることも考えたが、グループ行動は、できるだけ一つの宿の方が連絡がスムーズだし都合がいい。

何とか泊まれないかと宿の主人に頼んでみた。
その最中、なんと菊ちゃんがオラを見つけ、話しかけてきた……。

本当は抱き合って再開を喜ぶはずであったが、なんてタイミングが悪い時に現れたのだろうか。
今は菊ちゃんとの再会のことよりも、宿の予約のことで頭がいっぱいになっていた。
なので素直に喜ぶ余裕がオラには無かった。
ごめん菊ちゃん……。
 
でも宿の方はなんとか全員が宿泊できることに決まった。
何かあっけない再開であったが、夜はみんなで菊ちゃんとの再会を祝し、サダスストリートから少し南に下りた『ハウ・ホア』という中華料理店でディナーパーティーを行うことにした。

ここは餃子が美味しかった。皮がモチモチで中身も具がしっかり詰まっていてめちゃくちゃ味が濃厚で美味しかった。

オラは、熱々の餃子を頬張りながら今後の旅について菊ちゃんに聞いてみた

菊ちゃんは、これから行くアフリカ大陸は僕らと一緒に旅したいと言った。
オラは、また昔のようにみんなで旅できると思ったので、そのままみんなでオーロラまで行っちゃおうぜ!! と誘ったが、「その後のことはまだ何も考えていないよ~」と伸びたモヒカン頭をボリボリかきながら菊ちゃんは答えた。

お腹を膨らました僕らは上機嫌で『パラゴン』へと帰った。
菊ちゃんの再会を一番楽しみにしていたのは、やはりあけちゃんであった。
今日のあけちゃんのお化粧は、いつもより気合が入っているような気がした……。 

その日の夜、オラはマザーハウスのボランティア活動というものに参加してみようと思っていたので、同じ宿に泊まっている人の中で、明日マザーハウスに行く人はいないか聞いてみることにした。

すると、僕らの泊まっている宿にはボランティア目的で宿泊している日本人がたくさんいることが分かった。
同じ宿泊客の一人、あご髭をはやした若い男の子が「一緒に行きませんか?」と誘ってくれたので、朝6時半に宿のフロントで待ち合わせて一緒に行くことにした。

オラはこれまで一度もボランティアというものに参加したことが無かった。
献血ですら協力したことの無いオラだが、マザーハウスのボランティアを経験することで自分がどう変化するのか試してみたいと思っていた。

実際インドに来て貧しい人達の生活を見ていたら、こんなオラでも何かの役にたちたいと更に意欲が高まったのであった。

翌朝オラは、マッキーを誘いマザーハウスのボランティア活動に参加した。
マザーハウスでは軽い朝食が付いてくる。

そしてシスターのお話を聞いて、みんなで歌を合唱する。
その後、それぞれが行きたい施設に別れていくのだ。
 
シスターに「初めてなんだけどどうしたらいいですか?」と聞くと。
「じゃぁ、あなたここね」と勝手に施設を決められてしまった。

他の日本人達は『孤児の家』に行くみたいで、オラとマッキーだけが違う施設になり少し寂しい気分になった。
僕らが残念そうにしていると、あご髭をはやした男の子は、シスターに頼んで孤児の家に変えて貰ったらって言ってくれた。

しかしオラ的には、ボランティアに行くのなら一番人手が足りていない場所に行った方がいいと思い、最初に指定された場所へと向かった……。

僕らが向かった場所は、老人ホームみたいな場所であった。
ここではどうやら男女別で仕事をするみたいだ。

マッキーは、欧米人の女性リーダーと違う建物に行ってしまった。
はぁ、何か不安だなぁ、ちゃんと仕事できるやろか……。

オラは、更衣室でエプロンを着用し、50人分くらいの大掛かりな洗濯の仕事が始まった。
小学校の手洗い場のような所での洗濯だった。
洗剤をつけてブラシでゴシゴシゴシ、じゃぶじゃぶじゃぶ。
自分の溜まった洗濯物も一緒に洗いたいよ~。

靴やズボンがずぶ濡れになりそうなので裸足になって一生懸命洗濯をした。
はぁ~疲れた。
 
次は洗濯に使った水をバケツに汲んで、50m先の庭にバシャー、計10往復。
だんだん腕が張ってきた……。
 
はぁはぁ、やっと終わったよ。
体は汗まみれになっていた。

よっしゃ、今日は、いっぱい働くで~! 
オラは気合を入れなおした。 

「次は何したらいい?」シスターに聞いてみた。

「う~ん、じゃ、そこの玄関の門でも雑巾で拭いといて!」
 
なに~ぃ、こんな汚い門拭いても雑巾がもったいないだけやんけ~! 

あかんあかん、ボランティアに来て文句言うとったら小さい人間やと思われる。
 
オラは、インドの複雑な模様で作られた、非常に掃除のしにくい、土ぼこりで真っ黒になった門を人差し指に雑巾を巻きつけ、細部にわたって磨いていった。

 ――30分後。門の半分は、ヨーロッパの豪邸の門かと思うぐらいピカピカになった。
オラは変な達成感を感じた。
 
「ハーイ、休憩ですよ~」
 
他のボランティアの人がオラを呼びに来てくれた。
そしてチャイが出されてホッと一息。

休憩後、残りの門もピカピカにするぞ!
しかし、シスターが今度は食事の準備をするのだと言ってきた。

え~、せっかく楽しくなってきたのに……。
まぁ、いっか!
 
男のスタッフがオラにパパイヤを切ってくれと言ってきた。
よっしゃ、オラ野菜や果物切るのは得意やぞ!

グサッ! うっ、切れない……。

包丁が全然鋭くない。

仕方なく包丁よりまだましな、バターナイフで野菜や果物をなんとか切っていった。

「キーンコーンカーンコーン!!」給食の時間が始まった。

メニューは、カレーライスのような食べ物の横にパパイヤが添えてあった。
 
まずは、料理を皿に盛ってもらい、最初に体が不自由で動けない人のベッドに僕らが料理を運ぶ。
その後で、動けるじいちゃんはそれぞれ自分で食事を取りに行くのだが、オラが並んでいる途中に少しでもよそ見をしていようものなら、すぐにそのスキをついて順番を抜かして食事を取りにこようとする。

「こら~、動けるじいちゃんは後だ!」

油断もスキもあったものじゃなかった。
 
最初に運んだ髭もじゃのじいちゃんが、早くもお代わりを要求してきた。
ゲッ! もう食べたんかい!?
 
「ちょっと待ってや~、まだ食べてない人もおるんやから~!」

オラは急いで次のベッドに食事を運んだ。さ
っきのじいちゃんが通りがかりにオラのお尻を叩いて催促してくる。

オラは無視して次の老人のところに食事を運ぶ。
そのうち何と!! じいちゃんは、ベッドの横に置いていた杖みたいな物でオラの足を引っ掛けてきた。

「おらー!! ジジー!! コケそうになったやんけー!!」

じいちゃんにとっては早くお代わりを持って来いと催促しているつもりかもしれないが、オラからしたらただの嫌がらせにしか感じられなかった!!

そんなじいちゃん達とのやりとりの末、ようやく僕らの休憩が始まった。
おじいちゃん達の余った食事を頂いたのだが、決して美味しいものではなかった。

お昼の休憩のあと、スタッフの人に「今日は半日ですか? それとも一日ですか?」と聞かれた。

うっ、時間のことは全然聞いていなかった。
どうしよう……。

マッキーに「午後もするの?」と、こっそり聞くとブルブルブルと大きく首を横に振っていた。
 
結局僕らは「半日です!」と大きな声で答えるようなヘタレな人間であった。

オラは、初めてボランティアというものを経験してみたけど、思ったより大変だなぁと思った。
そりゃ、かんたんなボランティアもあれば肉体労働的な大変なボランティアもある。

しんどいボランティアは自分に余裕がないとなかなかできないなぁと思った。
しかし最初は貧しい人達に僕らが世話をしてあげるんだ! 

という使命感だけで参加してみたつもりだけど、今回感じたのは、そんなんではなかった。
わがままなおじいちゃん達と絡んでみて、腹立つこともたくさんあったが、そんな人との係わり合いが何となく楽しかった。

自分が年老いた時や、困った時には結局誰かに助けてもらうことになるんだし、自分が動けるうちは、苦痛にならないレベルで今後も何かのボランティアには参加したいなぁと思うようになった。

コラム  列車のチャイ屋さん
オラは車両に回って来るチャイ屋が楽しみだ。
チャーイ、チャイ、チャイ、チャーイ (チャイはいかが?)
チャイ! (チャイくださーい)
チャイ? (いくつ欲しいの?)
1チャイ! (うん、ワンチャイ)
チャイ! (ハイどうぞ!)
これだけでチャイが買えるのが嬉しい。

列車のチャイは、ひと時の安らぎ

列車のチャイは、ひと時の安らぎ

コラム  朝のインドの光景
オラは開いた列車のドアから外の景色を眺めるのが大好きだ。自然の空気を体全体に受けながら朝陽を見るのは最高に気持ちがいい。

インド人達も朝陽を見ながら列車にお尻を向けて、ブリブリやっている光景が目に入る。
オラは「自分ら丸見えやで!!」って叫んであげたかった。
P1010668

列車から見る朝のインドの光景は生々しい!?

列車から見る朝のインドの光景は生々しい!?

コラム  朝のお祈り
列車の中で寝ていると朝方、人の気配で目が覚めた。
うっすら目を開けるとおばあさんが目の前に立っていてオラに呪をかけようとしている。

いや違う、これはインドのお祈りだ。一瞬飛び起きそうになったが、お金を請求してくるので寝たふりを続けた。
後で仲間に聞いた話、やはりみんなのところにも回って来たらしい。
中には寝たふりを続けていたら頬っぺたをツネられたメンバーもいたみたいだ!

目覚めにお祈りのおばあさんのアップは怖すぎる

目覚めにお祈りのおばあさんのアップは怖すぎる

コラム  詐欺タクシー
コルカタの『ハウラー駅』から『LT駅』までは国鉄列車で移動(31時間)。
そこからムンバイの市内に行くには、ローカル電車の乗換えをしなくてはいけない。

ガイドブックにはLT駅からローカル列車(セントラル・レイルウェイ)の駅まで歩いて20分と書いてあった。
しかし途中スラム街を通るため、深夜や早朝は危険なので、リキシャーを使うことと書いてあった。

時間が早朝だったので僕らはリキシャーに値段交渉に行ったが、1台200ルピーと言ってきた。
しかし、200ルピーは高いと思い、LT駅の駅員さんに相場を聞きに言った。

すると駅員さんに「おめぇら、何言っているんだ、ローカル駅は目と鼻の先にあるじゃないか!! ほら、あそこに駅のホームが見えてるだろ!?」と言われた。

なに! そんなに近いのかいなぁ!
じっさい、僕らが駅にたどり着くまで2分もかからなかった。

スラム街もそこから更に先にあるらしい、たぶんタクシーの運転手達はわざと遠回りしてスラム街側から通って来るのだと思う。
ガイドブックには投稿者が騙されたルートをそのまま載せているのじゃないかと思った。

近くの駅を遠回りして、不当な料金を取ろうとする詐欺タクシー

近くの駅を遠回りして、不当な料金を取ろうとする詐欺タクシー

 

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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ABOUTこの記事をかいた人

2016年11月~2017年4月までの約半年間、仲間を募って中南米一周してきました。 夏のシーズンは、アウトドアクラブNuts(ラフティングカンパニー)の代表を務めています。オフシーズンはアウトドア系社会人サークルのイベント(ボードツアーなど)行っています。また、ラフティングトレーニングやアウトドアの遊びの研究をするため、海外に出かけたりしています。 旅やアウトドアに興味がある方はぜひお友達になりましょう♪