不運なバックパッカーの巻
引き続き砂漠ツアーのお話……。
今晩の僕らの夕食はBBQ♪
鶏肉や牛肉のステーキがとても美味しそうに焼きあがってきた。
しかし、あけちゃんと菊ちゃんは未だ冷戦状態が続いているため、食事が始まってもテントから出てこようとしない。
オラが声を掛けても菊ちゃんの「要らない」と言う声しか聞こえてこなかった。
ジェフリーが、ふたりは何故食べに来ないのかと何度も聞いてきた。
オラは「ふたりはお腹の調子が悪いみたい」と言ってごまかしていたがジェフリーは心配して何度も何度もテントの方をチラチラ見て、ふたりのことを気にかけてくれていた。
ようちゃんがしびれを切らし、険しい表情で菊ちゃん達のテントに近寄って行った。
「せっかくジェフリーがふたりの分も作ってくれたんやけん食べんと失礼やろ!?」
いつもは温厚なようちゃんが、珍しくふたりに対してキツ目の口調で言ったので、オラは、少し驚いた。
しかし菊ちゃんとあけちゃんは、仲良しだったようちゃんが声をかけてもテントから出て来なかった……。
BBQの赤い炎がキャンプサイトの辺りだけゆらゆらと明るく照らしていた。
キャンプサイトの入り口付近から小さな影が見えた。
キツネだ!
鶏肉の骨を投げると、キツネがこそこそっと寄って来て、オラが投げた骨を持って行くのだ。
よし、今度はキツネを写真に収めるぞ!
オラは、鶏肉の骨を暗闇に投げ、岩の裏から、キツネが来るのを待った。
トコトコトコ……キツネが近づいて来る音が聞こえる。暗い影が見えた瞬間、オラは、カメラのシャッターを切った。
パシャ!
よっしゃ、キツネの写真 GET!
しかし、撮った写真を見てみると、何と、お腹を空かしてやって来たやす君とさとし君だった。
やはり、彼らは今日もヒンソな食事を与えられ、僕らのキャンプサイトにおこぼれをもらいに来たのだという。
結局あけちゃんと菊ちゃんはジェフリーが作ってくれた美味しそうな夕食を喧嘩が原因でひと口も食べなかった。
おかげで、ふたり分の夕食をまるまま食べれたやす君とさとし君は、超ラッキーさんであった。

ナミブ砂漠の帰りのジープ乗り場。
ここでは少し木々もあり、木陰で休むことができた

オレンジ色の砂漠の中にいきなりデッドフレイ(枯れた湖)が現れた。
デッドフレイの朽木の上でポーズ

キツネと思って激写したら、お腹を空かしてやって来た、やす君とさとし君だった。
ベッドの位置などは、あみだくじやジャンケンで決めていた。
ウイントフックの宿で、ひとりだけ違う部屋に行かなくてはならない時があった。
僕らは突然考えた(一発芸で勝ち負けを決める)面白ジャンケンで部屋を決めることにした。
グー、チョキ、パーを変形させたジャンケンで、笑いがとれたら勝ち。一番面白くない人が負けである。
結果、とっさのノリに付いていけなかったぷる君が犠牲になった。

僕らは毎回の宿の部屋決めをたまに変わった方法で決めたりする