96.みんなで世界一周計画 カナダ編 衝撃的な悲報の巻

衝撃的な悲報の巻

ナイアガラフォールズで感動の再会を果した僕ら5人は、再びトロントの街まで戻って来た。
そして翌朝、宿のパソコンでネットをしていたみかりんが、とつぜん驚いた口調で叫んだ。

「え、うそでしょ!!」

なんと、イタリアで出会ったカリンちゃんが、ローマで交通事故に遭い、亡くなったというのだ……。

……

予想外の出来事に、みんなは言葉を失った。

カリンちゃんの友達が“mixi”を通して仲間達にメッセージを送ってくれていたのである。
オラのところにも同じメッセージが届いていた。

「カリンさんは、旅行先のイタリア・ローマ近郊にて交通事故によりご逝去されました」という内容のメールだった。

カリンちゃんは、ローマに住む友達の家を出て翌朝の飛行機に乗る予定だったので、空港からすぐそばにあるホテルを取っていた。
そのホテルから彼女が夜出かけた時に起った出来事である。

オラは頭の中が真っ白になった。

あんなに元気だったカリンちゃんが、この世からいなくなってしまったなんて、信じられない……。

カリンちゃんとメールをやりとりした最後の日にちを見ると、亡くなる前日であった。

オラがその時のメールに対して返事を送ってから、カリンちゃんから返信がなかったので、少し心配していたのだが、まさかこんなことになっていたなんて……。

オラは、しばらく放心状態になった。

しばらく経って、なんとか落ち着いたものの、つい最近まで一緒に過ごした仲間の死を、オラは受け入れようにも簡単には受け入れることはできなかった。

その日一日特に予定の無かったオラは一人部屋に閉じこもり、ぼんやりと窓から見える雲を眺めていた。

どうしてかりんちゃんは、亡くなってしまったのだろう……。

カリンちゃんの晴れやかな表情が何度も何度も脳裏に浮かんでくる。

カリンちゃんの死は僕らにとってかなりショックなことではあったが、いつまでも悲しんでいてはカリンちゃんに申し訳ないと思った。

オラはインドやネパールを旅したことを想い出した。

この旅で僕らは人の火葬の現場を幾度となく見てきた。

その度、亡くなった家族や友人などの姿も見ることになった。

なんと彼らは遺体と一緒ににっこり笑顔で記念写真を撮ったり、パーティーかと勘違いするぐらい楽しそうなお葬式をしたりしていた。

死は彼らにとって神からの人生最大の贈り物なのである。

生まれてくることが喜びならば、死もまた喜びだという。

人はいつか死んでしまう。自分を含めまわりにいる人達全員だ。

だからオラはカリンちゃんの死をしっかり受けとめ存在をいつまでも忘れないでいようと思った。

生きることはあたりまえなんかじゃない。

だから人生をもっと大切にしないといけないのだ。

オラはカリンちゃんに対して「ありがとう、ずっと忘れないよ」と心の中でつぶやいた。

ようちゃんの日記
人の死について……。

人の死とはどうして前ぶれもなく、こう突然訪れるんだろう。
イタリアナポリのユースホステルで偶然一緒になり、僕ら旅グループとイタリアを旅した女性(カリンさん)。
『彼女が不慮の交通事故に遭い亡くなった』とのメールが届いた。
旅メンバー一同、絶句。
初めての地イタリアで亡くなってしまった彼女と生前最後に行動を共にしてたであろう僕ら。
せめてもの供養の意味でこの日記を書かせてもらう。

ナポリで出会ってカプリ島を一緒に巡ったあと、一足早くローマへと向かった彼女。
そのローマでも偶然出会った。
会う約束なんかしてないのにローマの町でばったり。
そういえばナポリで言ったよな。
『連絡先は聞かないよ! 縁があればまたどっかで会えるから!!』
その言葉通りローマでばったり会ってビックリした。
その日は一緒に昼ご飯を食べてバイバイ。
翌日早朝、僕はシスティーナ礼拝堂へ入るため開館前から長蛇の列に並んでいた。
そこへまた現れた彼女。
「ホントよく会うね~」と冗談のように話した。
バチカン市国にあるシスティーナ礼拝堂。ここには中世イタリアの有名な絵画や彫刻が数多く飾られている。
壁画や絵画などの作品を眺めながら「この絵の男の人は悔しそうだ」とか「絵の中の天使は誰に微笑みかけているんだろう」なんて言葉を口にする。
僕にはなかなか気付かなかった絵の本質を彼女はこう感じているんだって感心した。
バチカンを回ったあと、スペイン坂、トレビの泉、教会、骸骨寺……。
ローマの町を二人で一日中歩き回った。
「イタリアへ旅に出るって決めて以来、後悔の連続だった。
なんでひとりで旅になんか出て来ちゃったんだろう」とよく口にしていた彼女。
「高いお金払って大切な時間使って出て来たんだから楽しまないと損だぜ」と何回もアドバイスしたのを思い出す。
そして僕らはローマを後にし、水の都ベニスへとやって来た。
ここのアーキーズハウスってホテルに泊まった2日目の朝、フロントに見慣れた顔の日本人女性。
そう、カリンさんだった。偶然同じホテルに泊まっていた。
「また会ったね~。元気してた~!?」と旅メンバーで再会を喜んだ。
そしてその日はベニス最大のお祭りのフィナーレだった。
「夜は皆でフィナーレ見に行こうな!」と声かけると「もちろん!」って。
「ベニスに着いて以来イヤな事が続いていた」と話す彼女。
だけど僕らとまたこうして再会できたことがすごく嬉しそう。
そして僕ら旅メンバーもそれが嬉しかった。
祭りのフィナーレの夜。僕ら旅メンバー6人と彼女、それから同じ宿の男の子の総勢8人で各々の仮装をして町に繰り出した。
彼女の顔にはアイシャドーを使い僕が仮装メイクした。
方向感覚のイイ彼女を先頭に、ベニスの中心地(サンマルコ広場)へと向かう。
辺りは凄い数の人だ。
広場へ到着し中央ステージのすぐ右側を僕ら8人で陣取る。
出て来たジャズバンドの音楽に合わせて会場中の人達が踊りまくる。
僕らももちろん踊る。カリンさんも超楽しそうだ。
ちゃんとイタリアを楽しめている彼女を見てすごく嬉しかった。
辛い旅なんてする意味が無い。
旅は楽しむものだから……。
その夜はベニスの夜空を埋め尽くす花火を見た。
幻想的な音楽とともに打ち上がるたくさんの花火。すごく感動した。カリンさんが「イタリア来て良かったぁ……」と呟いた。
翌朝2月22日。まだ僕らが寝ている8時前、部屋をノックする音。
ローマに戻るカリンさんが「さよなら」を言いに来たのだ。
律義な子だ。旅メンバー数人が見送りに行ったが僕は行かなかった。今の彼女はもう心配いらないって思ったから……。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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ABOUTこの記事をかいた人

2016年11月~2017年4月までの約半年間、仲間を募って中南米一周してきました。 夏のシーズンは、アウトドアクラブNuts(ラフティングカンパニー)の代表を務めています。オフシーズンはアウトドア系社会人サークルのイベント(ボードツアーなど)行っています。また、ラフティングトレーニングやアウトドアの遊びの研究をするため、海外に出かけたりしています。 旅やアウトドアに興味がある方はぜひお友達になりましょう♪