ふたりの気持ちと仲間の気持ちの巻
ナミブ砂漠のツアーから帰って来る車の中でも相変わらず、菊ちゃんとあけちゃんは一言も話す事はなかった。
あけちゃんは他の誰とも喋らず、無愛想な態度をとっていた。
帰りの5時間の車中は、息を飲むような張り詰めた空気が流れていた。
オラは早く仲直りして欲しいなぁと思っていた。
旅の途中でこんなケンカは必ずあるが、気の弱い菊ちゃんが本気で出て行かないか心配だった。
ウイントフックの宿に戻った夜、ふたりが、宿のBARで飲んでる姿が見えた。
そしてあけちゃんがオラに声を掛けて来た。
「私達仲直りすることにしたの。
いざぽんはこの旅をいつもみんなが楽しめるように、って思っているでしょ!?
だから私達がケンカする事でみんなの雰囲気が悪くなるのがイヤになったの」
オラはその言葉を聞いてホッとした。
そしてあけちゃんと菊ちゃんは、無事仲直りができ、今まで通り楽しく旅を続けて行けるようになった。
しかし、菊ちゃんとあけちゃんのちょっとした感情や態度が、逆に仲間との壁を少しずつ作り出していたのであった。
砂漠到着。
第一印象、『えっ?これが砂漠?』
ただの赤い砂山やんか~。
しかも木や草がぽつぽつ自生してやがる……。
しかし実際にその砂山に上り出したらそれは間違いなく砂漠だった……。
カンカンに熱された砂、足を取られてなかなか上れない。
暑い、熱い……。
喉が……。

砂漠に足を取られ苦戦するようちゃん
いざぽん・ぷる君・ダイタは超元気! 足場の悪い砂漠をどんどん歩いてはるかかなたへ……。
一体どこ目指してんだよ……。
マッキーと菊ちゃん&あけちゃんでブーブー言いながら必死で後を追う。
あけちゃんの『私もう歩かない!!』ってひと言で、菊ちゃん&あけちゃん脱落(笑)
マッキーとやっとの思いで皆に追い付いて『いったいどこ目指して歩いてんの~!?』と聞くと
ぷる君が、『てっぺん!!』って……。
こんな砂漠のてっぺんってどこやねん!?(笑)
でも3日間楽しかったなぁ~。
帰りの車でひとつだけ心残りなことがあった。
それは、無邪気なアシスタントの少年と遊べなかったこと……。
少年は、ジェフリーの近所の子で砂漠に行きたいってことで
連れて来たらしい。
でも言葉の壁と年齢の壁と性格の壁かなぁ……。
なかなか仲良くなれず3日間ずっとひとりでヒマ潰しして遊んでいる感じだった(もちろんジェフリーと話していることも沢山あったけど)。
何かしたかったなぁ~。考えて考えて思い付いたこと。
そうや、日本語の練習シート!!
さっそく紙とボールペン出して、
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Let’s study JAPANESE!
・good morning; ohayo
・hello; kon-nichwa
・good evening; kon-banwa
・my name is~; watashino-namaewa~des
・how old?; nansai-deska?
・desert; sabak ・ostrich; dacho
・sand; suna ・ant; ali
・scorpion; sasoli
ありがとう(Thank you)
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『ほらプレゼント。これで日本語少しでも覚えて』
こっそり助手席の少年に渡すとサンキューって少し嬉しそう。
大事そうに、紙に折目が付かないようにと、持って来ていたファイルに入れて何回も何回も見ている少年がすげーかわいかった。
数年後に砂漠ツアーのガイドになって日本人のお客さんが来た時に一言でも、オレのやったことが役立てばいいなぁ~なんて想像しながら2泊3日の砂漠ツアーは無事終了しましたとさ。

ナミブ砂漠ツアーのアシスタントで来た少年