いい加減な南アフリカの医者の巻
オラにとってのアフリカのイメージはいきなりジャングルか、古い町並みのイメージであった。
しかし少なくとも南アフリカ、ヨハネスブルグの空港付近の風景は、オラのイメージとははるかにかけ離れていた。
昔イギリスの植民地だった影響か、道路を走る車は高級車が多く、建物もどれも綺麗でお洒落な建築物が多いように感じた。
空港近くのゲストハウス『エアーポートバックパッカー』一人1泊90ランド(約1530円)に着くと早速、宿の人に車を用意してもらい、あけちゃんとようちゃんを、病院に連れて行ってもらった。
しかし、さほど時間が経たないうちにふたりは治療を受けないまま宿に戻って来た。
そこの病院は、現金じゃないと治療を受けられないらしい。
手持ちの現金だけじゃ足りなかったみたいだ。
やはり、先に保険会社に連絡すべきであった。
僕らは、保険会社に電話で相談し、直接治療費を保険会社に請求してくれる病院を紹介してもらうことにした。
しばらくして保険会社の人から連絡があり、1時間ほどでお医者さんが直接僕らの宿に来てくれるとの事であった。
僕らはホッとしてお医者さんの到着を待った。
しかしなかなか来ない。
夕方までには来る予定だったが、辺りが真っ暗になってもまだ来ない。
再度保険会社に電話して催促してもらうが、結局お医者さんが来たのは夜中であった。
あり得ない時刻だ。
もしふたりが重病人だったら死んでしまっていたところだ。
僕らは、プンプン怒っていた。
しかし先生は僕らの怒りを気にも留めず、淡々と治療を始めたのであった。
そしてふたりは、お尻にでっかい注射を打たれた。
お尻への筋肉注射はかなり痛いようだ。
あけちゃんは、看護師なのにギャーギャーわめいている。
その痛そうな声を聞いてようちゃんもビビリまくる。
お次はようちゃんの番。
先生はなんとダーツのようにようちゃんのおしりに注射器を投げ打った!
スポーン!
注射器がおしりの肉に刺さる音がみんなのベッドにも響きわたった。
ギャオッ!!
男の子だから声を出さないようにしようと必死で口を閉じていたようちゃんの口から思わず漏れてしまった一声であった。
やはり、海外で治療を受ける場合、ある程度現金を持ち合わせておく方が安心だなぁとオラは思った。
初めは保険会社で契約している病院の方が安心かと思ったが、保険会社の紹介する病院の医者=安心とは言えないような気がした。
宿から病院まで移動距離がある場合もあるので、宿で近くの信頼できる病院を紹介してもらう方が意外と安心じゃないのかと思った。
・治療費は自分で支払う
・自分で病院に行く
・ホテルのフロント等で医師の手配をしてもらう
このような場合は自分で治療費を立て替えて後日保険会社に請求する。
(診断書・治療費領収書・薬代領収書等)病院で受け取り、保険会社に送る。
・キャッシュレスで治療を受けたい
(保険会社に治療費を直接支払ってもらう)
・病院の予約・医師の手配を保険会社にお願いしたい
このような場合は保険会社に連絡する。
直接現金を支払う必要がないので便利だが、保険会社の契約できる病院が現地から遠い場合もあるので医者が来るのが遅い場合がある。