未だに解明されていない多くの謎が隠されている。
ピラミッドの秘密の巻
カイロ滞在3日目、僕らは、ギザのピラミッド観光に出掛けた。
サファリホテルからタクシーに乗って約30分でギザのピラミッドの正面ゲートにたどり着いた。
あたり一帯には朝靄がかかり、視界の悪さがまわりの景色を神秘的な雰囲気に包みこんでいた。すぐ近くにはスフィンクスがドーンと鎮座し、圧倒的な威圧感でもって僕らを見下ろしている。
右手には巨大なクフ王のピラミッドが建っていて思わず息を飲む光景であった。
しかし入場ゲートの前に立っている僕らの背中側にはケンタッキーフライドチキンとピザハットの店が入っているビルが建っており、そのまわりもビルが立ち並ぶ普通の街の風景であった。
オラはこの広大な砂漠と建物が密集した街の景色のギャップに驚いた。
まるで都会の映画館でファンタジー映画を見ている気分だ。
クフ王のピラミッドは中を探検できると聞いていたが、午前と午後で先着合計300名までの人数制限が設けられていた。
そのため、オープンの8時前には多くの観光客がチケット売り場に並んでいると思い、僕らは1時間前の7時から入場門の前で待っていた。
しかしゲートの前には僕ら以外、誰一人並んでなかった。
不思議に思い、ガードマンに聞くと、なんと僕らはピラミッドの入り口から正反対の一番遠いゲートにいるらしい。
ここからでも入場できるが、ピラミッドの入り口までは300メートルは離れていた。
なんてこった! 気づいた時には既に8時前。
悠々とピラミッドの入り口近くのゲートで待っているだろう大勢のライバルの観光客達と僕らは、入場の権利を争わなくてはならなくなった。
ゲートが開くとともに、僕らは、ピラミッドの外周をダッシュで走った。
しかしピラミッドは予想以上に大きい。オラは中学生の時の体育の授業で学校の外周を走った事を思い出した。
何故しんどい目をして、こんなところを走っているのだろう……。
ふと後ろを見るとケイちゃん達はすでに歩いていた。しかしぷる君やダイタが走っているのでオラもそのまま走り続け、ようやくピラミッドの中に入れる入り口にたどり着いた。
はぁはぁ、
ガラーン――ほとんど誰もいない……。
なんだ、余裕じゃん。あーそういえば冬場はシーズンオフで観光客が少ないのだった。
なんか、慌てて走ってきたのがバカらしくなった。
そして僕らは、入り口からピラミッドの内部に潜入した。
人がすれ違うのも困難な、狭い通路を抜けるとトラップらしき落とし穴を発見した。
そこから天井の低い長い階段を、腰をかがめて上がって行くと、広くうす暗い部屋に出た。
部屋の奥には、石でできた棺おけらしき物が置かれている。
その石棺の中には女性の人形が立っている状態で置いてあった。
なぜ石棺に人形が? オラは不思議に思い、その人形をマジマジと眺めた。
一瞬、人形と目が合った気がした。
え~!?
今、目があったような気が……。
するといきなり人形がピクリと動いた。
ぎょえ~!!
なんと人形ではなく、石棺の中で瞑想している外国人の女性だった。
おまえ、なんでこんな所で瞑想してるね~ん!!
これにはほんとにビックリした。
他の観光客も絶対、腰を抜かす人がいるはずだ。
運転手のおやじが、突然ピラミッドの手前で車を停めて建物の中に入って行ってしまった。
しばらくして建物の中からラクダに乗った根性わるそうなじいちゃん達が僕らに近づいて来た。
「ここからは、ラクダに乗らないとピラミッドには行けない」という。
しかしどう見てもチケット売り場までは道路がちゃんと繋がっているのが分かる。
じいちゃんは、「ピラミッドへはラクダに乗って行くのがセオリーだ」といいはるのだ。
僕らはラクダに乗るのを目的にしているのではないので、運転手に車を出してくれと頼むが、運転手のおやじは車を走らそうとはしてくれない。
ラクダ引きとタクシーのおやじがグルなのが分かったのでオラはタクシーのおやじに「チケット売り場の前まで行かないとタクシー代払わへんぞ!!」とあえて日本語で脅してやった。
意味不明な言葉でまくし立てられる方が相手は恐怖を感じると思ったからだ。(ほんとは、英語がわからない)
僕らが怒っている様子を見ておやじはしぶしぶタクシーを前に進めた。
無事チケット売り場にたどり着き、ゲートの開くのを待っていると、またまたさっきのらくだ引きのじいちゃんがやって来た。
やけになったのか、今度は無理やり僕らにらくだの綱を握らせ金を取ろうとしてきた。
ピラミッド近くのラクダ引きはほんとしつこいので要注意だ!!
しかしエジプトでは、紙代というよりかはバクシーシー(ほどこし)としてお金を請求される。
エジプトのトイレはたいてい洋式になっているが水の流し方が、大きく分けて3種類に分かれている。
1.トイレ横に専用の水が出るホースみたいなのが付いているタイプ
2.専用の蛇口があって、そこからバケツかペットボトルで汲んで流すタイプ
3.取っ手を引けば自動的に水が流せるタイプ
ある日オラは、3.のタイプのトイレに入った。
洗浄機が付いているが、噴射ノズルが出たり入ったりしないので、先にはウンコが刺さっていた。
汚いトイレにずいぶん慣れてきたオラは用を足した後、水を流そうと思い取っ手を引いてみるが、壊れていて水が流れない。
ふと見ると、トイレの横にコックみたいなのがあったので思わず捻ってみた。
すると、いきなり洗浄機の先から勢いよく水がウンコと一緒に飛び出してきた!!
うぉぉおおおー!!